縁が好きだ。歩道の縁、街頭の縁、昔は、雨戸の内側に縁側というものがあった。縁が大好きなのだ。縁には何かがある。魔法のような空間だ。空間の縁には、何かと何かの関わり合いがある。関係をつくってくれる。めぐりあわせがある。つながりがある。

朝、縁を歩く。落ちないように、とぼとぼと歩く。ずーーと落ちないで歩けたら、きっと素敵なことが待ってる。そんな気がする。向こうからも同じように歩いてくる。向こうが先に降りればいい、そう思って、歩き続ける。落ちないようにするから、自然と顔が下がる。ふいにそのときは訪れた。

あっ

なんと、好きな子だった。

「よー、おはよう」

「おはよう。君も好きなんだね。縁歩くの」

「えっ、あなたも?」

「もちろん、だって何かに出会えそうでわくわくするじゃない」

「そうだよね。幸せとか、楽しいこととか、会える気がするんだ」

「わたし、いまあなたに会えたわ」

「・・・ぼくも、君に会えた」

「・・・・・・」

「・・・」

べたな展開だが、この日から、ぼくたちの恋が始まった。

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