氷艶2017〜破沙羅〜(後半)

30分の幕間は、氷上に整氷車が走ってリンクのメンテナンス。

暑い日だったので、中に入ったときは快適だったけどだんだん寒くなってきました。

以前、まだ子どもが小さい頃、ディズニーオンアイスを見に行ったときも中は寒いよと言われて、子どものジャンパーとかいろいろ持って行って大荷物でしたが、今回もまだクリーニングに出さずにとってあったダウンコートを持っていきました。

それでもさすがに、5月にダウンを持ってくる人はいなかったかな(笑)

うちの妹は慣れたもので、座布団、ひざ掛け、薄いジャンパー持参だけどくるくると丸めれば大した荷物にもならず。

私だけが大荷物で笑われました。

最終日はさすがにダウンはやめたけど、何と、上の方は全然寒くありませんでした。

座布団もひざ掛けもいらなかった(笑)

そう、私は初めて生でフィギュアスケートを見たんですよね。

昔のディズニーオンアイスは別として、テレビでおなじみだった選手がたくさん出ているのは初めて。

実際見ると、すごいスピード感があります。

テレビカメラは滑っているところを追っかけてるからスピード感がそがれるのかも。

テレビのように細かいところは見えないけど、この観客と一体になるショーの雰囲気がいいですね。

また、競技だと短い間に規定のいろんな技を入れなきゃいけないから表現どころじゃないけど、こうやって見るとその人の持つ雰囲気、個性、表現力などがホントに多彩で驚かされます。

それに、こういう物語性のあるものを「演じる」ということは、スケーターのみなさんにとってもあまりなかったことなんじゃないでしょうか?

この「氷艶」で、またアイスショーの新たな可能性が広がって行ったら面白いなと思いました。

って、私がここで突然高橋大輔ファンになったりアイスショーに通ったりするわけではないと思いますが(笑)

高橋大輔すごいよかった!と言ったら、今度アイスショーに行かない?と妹にいわれました。

しかし、チケット高いよね。

それなら歌舞伎に行った方がいいかも(笑)

って、無駄なことばかり書いてないで、後半です。

まず前半の補足。

蛇髪姫が登場した後、義経とその四天王も登場して、龍(巨大蛇?)が暴れまわっていた場面には義経もいましたね。

2回見たのにいい加減な記憶(笑)

そして、弁慶が義経に言うのです。

この場はどうか落ち延びて、あとは自分に任せろと。

そして弁慶は討ち死にしていくのでした。

義経と四天王たちは無念の後退。

四天王といっても、亀井、片岡、伊勢、駿河ではありません。

荒獅子男之助(大島淳)

奴一平(鈴木誠一

渋谷金王丸(蝦名秀太)

鳶頭彰吉(佐々木彰生)

荒獅子男之助は、先代萩で仁木弾正が化けた大ネズミを踏みつける人物でこれはわかるけど、あとはわかりません。

おそらく歌舞伎風に仕立てた創作キャラかと(笑)

渋谷金王丸なんて、「渋谷区」と書いた金色の旗を持ってるんですよ。

何かのこじつけでしょうか?

みなさんアイスショーで活躍されている方のようで、出てくるなり歓声がすごかったです。

特に大島さんは、ディズニーオンアイスでも活躍されていたとかで、一段と歓声がすごかった。

今は指導に回っている一番のベテラン。

笑也さんのトークショーでも、彼が「最年長の53歳でーす!」と言ったので、え?

そこで笑也さんが最年長だったということが判明してしまったという笑い話を披露してました。

外見は、笑也さんより老けてるそうですが(笑)

四天王のみなさん、リンク狭しと駆け回って、すごいスピード感でした。

このスピードが、盛り上がりますね。

それぞれが立派にカブいていて、かっこよかったです。

もしかして、この現代風のカブき方って、昔の竹の子族に近いかも(笑)

場所も竹の子族のメッカ代々木公園の隣(笑)

現代によみがえった竹の子族たちを見た思いです。

対する悪人チームの手下たちは全員歌舞伎の人。

奴江戸兵衛(澤村宗之助

佐渡坊(大谷廣太郎

この二人は亀鶴さんとともにスケート特訓組ですね。

江戸兵衛は確か「伊達の十役」に出てきた小悪党。

メイクが、キッスのジーンシモンズみたいでしたが(笑)

佐渡坊のほうは、そういうお役があるのか、よくわかりませんが、でっかいタコを背負ってました。

これ、またトークショーによると、この二人はスケート特訓したけど危ないので、万一転んでも怪我しないように衣装にはたくさん綿が入っているそうです(笑)

さて、後半の氷上では仁木弾正の酒宴が催されています。

呼ばれて出てきたのは(歩いて・笑)

地獄太夫中村蝶紫

蘇我入鹿澤村國矢

石川五右衛門片岡松十郎

酒呑童子(中村かなめ)

この方たちは歌舞伎の「滑らない組」

四人はかわるがわる舞を舞い(リンク上の台の上で)やんややんや。

宴たけなわになるころ、たった一人、傘で顔を隠した人物がすり足で近づいてくる。

小袖をまとい、顔には面。

男姿の白拍子であろう、ここにきて舞え、という仁木弾正の言葉に、傘をとって台の上に上がったのはスケート靴を脱いだ高橋大輔

和服姿でいきなりヒップホップ風の速いダンスを披露。

これがすごかった。

ほんと、何が始まったの?って感じで、びっくりしました。

踊り子に化けて熊襲館に潜入したヤマトタケル‥‥を意識しての演出でしょうね。

舞の果てに弾正が「我が夜伽をせよ」と連れ去ろうとすると、いきなり面をとって正体を現すのですが、この暗殺計画は失敗。

せっかくの宴たけなわに興がない、あとは岩長殿に任せて、あちらで飲み直す、義経は好きにいたぶられるがいいと、弾正一行は台とともに引っ込んでしまいます。

あらあら、あとは義経と岩長姫だけ。

岩長ちゃんチャンス到来(笑)

最初はわらわのものになれと迫りますが、拒否されるとかわいさあまって憎さ百倍。

妖術でさんざんにいたぶります。

この部分、前方の幕にあらかじめ撮影された巨大な岩長姫のこわーい顔アップ(爆)が映し出されますが、やっぱりSS席のときはよく見えなかった。

あとで上から見て、こんなド迫力だったのかと驚きました。

巨大化した岩長ちゃんが指で義経をつまみあげ、クレーンに乗せられた義経が上下する。

やめてーというファンの声が聞こえてきそう(笑)

その苦悶の表情にまた萌え(そんな風に感じたら、岩長ちゃんと同系のサドじゃないの・笑)

そのあと、義経はどうなったのか?

岩長ちゃんに食べられてしまった?

希望も失せたかにみえた善人方(わかりやすすぎる勧善懲悪)ですが‥‥

もうこれは弁慶によみがえってもらうしかありません。

倒れた武蔵坊弁慶の周りを、天鈿女命が悲しげに鈴を鳴らしながら回ります。

どうか彼を助けて!

その祈りが通じたのか、再び天から女神が舞い降ります。

宙乗り2回目。

すごい〜(笑)

この宙乗り歌舞伎座とは高さが全然違うそうです。

めっちゃ高いらしい。

宙乗りし慣れた笑也さんでも最初「怖えぇ〜!」と思ったそうです。

それを、笑顔で、光り輝く神々しさでさらりとやってしまう荒川静香さん。

舞い降りた女神が弁慶を復活させると、とたんに善人方優勢に(笑)

石にされていた瓊瓊杵尊木花開耶姫も元に戻り、義経一行も無事。

何で〜?(笑)

そして決戦が始まるのですが、その前に、記憶が定かじゃないけど(順番が)仁木壇上の氷上六法があったと思います。

返す返すも憎っくき善人ばらめ、と言ったか言わないか(笑)

三味線、義太夫が入り、バタバタバタっとツケが打たれ、染さんが「世界最速の六法をお見せします」と言っていた六法が始まったのですが‥‥普通に片足上げて滑っているだけみたい

わからないけど、染さんがここまでやったこと自体すごいのでしょう。

ということにしておこう(笑)

それよりも、そのあとの二度目の宙乗りがすごく会場を沸かせました。

あの、「やじきた」でやって見せたぐるんぐるんをやったんですよ。

しかも何回も、後ろ回りまで(笑)

これ、弥次さん喜多さんが花火の大筒に隠れていたら花火と一緒に打ち上げられてしまったというシチュエーションでぐるんぐるん回るんなら納得だけど、何でここで悪者が回らなきゃならないのかよくわかりません。

が、ここまでやるかというこの技に会場大興奮でした。

きっと、仁木弾正の妖術のすごさを見せつけるような演出だったんでしょう、ということにしておこう(笑)

そうそう、その前に笑也さんが衣装替えして、瓊瓊杵と木花が逃げたと知って怒り狂い、すんごい衣装に変わって出てきます。

顔は鬼(黒塚の後シテみたい)で、衣装はおどろおどろしく、髪はぼうぼうに乱れて‥‥そしてびっくりの氷上毛振りが始まりました。

まさか笑也さんが毛振りするとは思わなかったわ。

地上でも見たことないのに、リンクの上で。

これこそまさしく、この地球上で笑也さんしかできない技でしょう(笑)

これ、トークショーでも大変だったことの一つとして語っていました。

スケート靴は、前半は小回りの利くフィギュアスケート用の靴を履いていたけれど、後半は慣れたアイスホッケー用のシューズに履き替えたそうです。

毛振りのときに踏ん張れるように(笑)

それでも、首を回すと踏ん張っていても氷の上だと回ってしまうみたいで、客席から見ているとサービスで四方八方から見えるように回ってくれているのかなと思えるけど、そうじゃないんですって。

実際毛振りをしていると、どっちがどっちか方向がわからなくなるそうです。

それを、舞台の上だと板目を見て方向を知るそうですが、氷の上だと目印が何もない。

ここだーと思って頭をあげたら変な方向だったということがしばしばだったらしいけど、最終日はぴたりと真ん中で収まりました。

これがすごく盛り上がったんですよ。

笑也さんもびっくりしたそうです。

大体、知らない人は歌舞伎といえば毛を振るものと思ってるみたいで(笑)

お客さんに喜んでもらえてよかったですね。

そのあとの猛ダッシュはすごかった。

最年長の笑也さんが一番重い衣装を着てるんですよ。

それなのにあの周りをけちらすような猛ダッシュ。

アイスホッケー用のシューズに替えたかいがあったみたいです。

それから、善人と悪人に分かれての決戦場面へ。

ドラム・タオの迫力ある生演奏が入り、いよいよ対決。

ほら貝みたいなラッパ隊まで現れ、プォーーっと鳴り響いて盛り上げます。

両陣営分かれて対峙するありさまが、う〜ん、まるで運動会の騎馬戦みたいで笑えるんだけど、誰も笑ってませんでしたね

またトークショーで出た話だけど、このときスケート側の女性陣も刀を持って戦いに参加するんですが、こういうことをやったことがなかった女性陣はもう楽しくて仕方ないのか、リハーサルのときみんなずーっと笑顔だったんだとか。

ここ、笑顔でやったら猟奇殺人でしょ〜!と言われて、笑顔禁止になったとか聞きました。

高橋大輔さんも、刀を持つのは初めてといってましたが、ものすごくかっこよくてさまになってました。

いや〜氷上でのスピード感あふれる殺陣、すごいですね。

超かっこいい。

ある程度予想はしてたけど、ほんとびっくりしました。

これに対し、笑也さん扮する岩長姫は素手で対決。

束になってかかってきても、恐ろしい妖術で相手を動けなくしてしまいます。

すごい不死身の岩長ちゃん(笑)

このときは亀鶴さんも、廣太郎さんも、宗之助さんも、深夜の特訓のかいあってしっかり滑ってました。

歌舞伎役者でも滑れるんだという意地を見せてくれたかな(笑)

そして、両陣営引いていよいよ義経と仁木弾正の一騎打ち。

悪は滅びてめでたしめでたし。

わかりやすい勧善懲悪のお話でした。

最初はどうなることかと思って心配したし、ほんとにできるの?〜とか(笑)

フィギュアスケートのファンには、歌舞伎ってこんなものかとがっかりされるんじゃ?なんて思ったりしたけど、ふたを開けてみると、文句なしに面白かったです。

スケートファンにも好評だったようで、ほんとよかった。

歌舞伎ファンには、結局ど〜でもいいストーリーだったかな(爆)

どっちにしても、思い付きからこんなことやっちゃう染五郎さんすごい!

と思いました。

普段の歌舞伎ではこきおろしてるのに、こんなときだけすみません(笑)

最終日の、カーテンコールで染さんが言ってましたが、

「ものすごい人たちがものすごく無理をするとものすごいものができる」

まさにその通りですね。

皆さんお互いに知らない世界に首を突っ込んでものすごく無理をしたと思います。

でもこれで得られるものは大きかったのでは。

新しいエンターテイメントの形として、氷上歌舞伎、いいんじゃないですか?(笑)

その第一歩を踏み出した公演でしたね。

私たち観客はその歴史の生き証人だったかもしれません。

染さんも、来年は襲名なので、本業頑張らないといけませんね。

笑也さんも、この活躍でクローズアップされて、来月の「名月八幡祭」

ちょうどいいタイミングでいいお役が回ってきたと思います。

今後の活躍、期待したいです。

高橋大輔さんは、ダンサーとしても歩き出したとか。

そうですよね、あのダンスセンスはすごいものがあると思います。

スケートだけで終わらせちゃもったいない。

今後の活躍、こちらも期待したいですね。

スケートファンも歌舞伎ファンも楽しめた「氷艶」

楽しかったです。