≪酒飲みだからできること≫

現在商談中の飲食店が2軒あるのだが、うち1軒はバーで見積も出して社長からOKはいただいている。

あとは店長と顔合わせをして、オーダーの手順や取引条件を決めるだけであるのだが、営業時間に行くとなると夜。

つまり1度は飲みに行かねばならないのだが、今の時期はなかなか予定が詰まっていて難しい。

だが隙間を見つけて行くしかあるまい。

さて問題なのはもう1軒の喫茶店。

こちらは取引されていた八百屋さんが2月に廃業されてしまい、代わりの業者を探されていた。

肉屋や魚屋など各業者に1軒ずつ八百屋を推薦状を出して4軒の八百屋によるコンペになっていたのだが、俺は牛乳屋からの推薦状をもらいエントリー。

まずは店長との面談。

それから興信所によるリサーチ。

その結果をみてオーナー面接で決定するわけだが、最終面接に最初に呼ばれたのは俺に決まったらしい。

実は店長面接の時に余談ではあるが、ひとつだけお願い的な提案を出されていた。

仲良くされてる女性がスナックを経営されていて応援されてるらしく、たまにで良いから同行してほしいとのこと。

【ラウンジゆき】

どこかで聞いた名前だと考えていて、俺はふと思い出した。

俺んちの近所に最近オープンしたばかりの店だ。

実家から徒歩3分とあれば、まして酒を飲むくらい簡単なことはない。

っていうか、その店のママさんなら母親の知り合いの紹介で移転されてきたはずである。

その話題を切り出したとたん、店長の心をわしづかみにしたも同然だったらしく、晴れて俺がオーナー面接に勝ち残れたらしいのだ。

なんてことのない喫茶店なんだが、以前から俺はどうしても取引をしたかった店が、ついにその窓口に手がかかりそうなところまで来た。

おそらく京都最古の茶店。

毎日レタスを1〜2個運ぶだけかもしれないが、そこには八百屋としての誇りが必ず芽生えてくるはず。

なにより楽しみなのが、その喫茶店か夏場に開催するイベント営業。

ビアガーデンだ!

昨夜に電話があり、今日の16時からオーナー面接と言われたのだが、会社概要と印鑑を持参とのこと。

会社概要なんて作ってないので、俺の履歴書で良いと言われて夜なべして書き上げた。

八百屋を始めて、このような商談は初めてのことだ。

そろそろ俺が1人で営むには、限界がみえてきたようでもあるが、いつまでも仕事を楽しめる八百屋でいたいから、不必要な販路拡大はしたくない。

好きなお客様だけと取引するなんて夢物語だと知ってはいるが、簡単には諦められない。

もっと楽しめるはず。

武器はマンパワー

エネルギーは酒とロックとバドミントン。

商談では野菜の話はしません。

85歳の女性オーナーに気に入られるか、それがすべて……

ciao